インコの日記

さえずり、ドラミングなど

なんでも強火にすればいいわけではない(ギリ成功)

自分は料理をするタイプの人間だが、一人暮らしの男の料理というのは大体「煮る・焼く」ぐらいなので、日々キッチンに立っている割には料理の技術はあまり向上しない。代わりに成長するのは失敗してしまった際の修正力と不味いものを完食できる心の寛容さだろう。今日はここ最近ご無沙汰だった肉じゃがを作る予定で、自宅にはふるさと納税で買った冷凍肉と肉じゃがキットがあったので、それを鍋で煮るだけのごくごく簡単な調理をするはずだった。

 

・・・全然違うものができた。透き通ったつゆとトロトロの肉が肉じゃがの醍醐味なのに、目の前にあるのは白く濁ったスープと見るからにカチカチな肉。すべての失敗は冷凍の薄切り肉を凍ったまま鍋にぶち込んだせいだろう。やけになって肉塊を解かそうと強火でぐつぐつしたらこのザマだ。豚骨ラーメンもかくやとばかりにスープが乳化してしまっており、こうなったら肉じゃがには戻せない。

肉じゃがになる予定だったもの

煮えたぎる鍋を前に無い知恵を絞り、最終的にたどり着いたのは「塩だけで味付けした遊牧民の素朴なスープ」風。凍てつく内モンゴルの草原で偶然招き入れられたゲルで出された一椀のスープだと思って食べれば、カチカチになってしまった肉もまた一興だ。一人暮らしの料理なんて腕よりも脳みそが重要なんだなと思いながら肉じゃがになり損ねたものを頬張った。

「塩だけで味付けした遊牧民の素朴なスープ」風。
盛り付けが汚いのはご愛嬌