インコの日記

さえずり、ドラミングなど

続:傘はさしたほうがいい

tourituzenntenn.hateblo.jp

 

先日こんな日記を書いたところ、はてブ公式に取り上げられたり、今日のおすすめに掲載されたりと、予想以上に反応があった。自分の想像以上に傘はさしたほうがいいみたいだ。前の日記でも書いた通り、自分は傘をさすのが苦手だ。そして今日もまた傘をささなかったせいでひどい目にあった。タイトルに「続」とついているのはそういうことだ。

 

今日はきちんとおめかしをして外出する予定があった。親友の結婚式の打ち合わせのためである。自分には中・高・大と同じ学び舎で過ごし、人生の半分を共にしたといってもいいぐらいの親友がいて、そいつが今月末に結婚式を挙げる。どうもそいつは結婚式に無茶苦茶気合が入っている様で、三田は綱町にある三井の迎賓館*1を貸し切って挙式することになっており、ありがたいことにそんな豪勢な結婚式にて司会という超大任を自分は任されている。そんなラグジュアリーな結婚式を挙げる以上、会場側プランナーさんとの綿密な打ち合わせも必要で、今日も台本の確認のためにはるばる三井俱楽部まで足を運んだ。

 

しかし今日もまた雨がひどかった。台風本体でもないくせにあほみたいに雨が降る。ムカつくことに、今回の雨は長時間しとしと降るタイプではなく、ザーッと降っては急に止む、なんとも情緒不安定なタイプだ。初めから降るのが分かっているのであればまだ対策のしようがあるが、自分みたいにものぐさな人間は「ちょっと待てば雨は止むのだから、わざわざ数分のために傘を持ち歩くのはあほらしい」と謎に逆張り精神を発揮するため、傘を持ち歩くことがなお一層困難になる。*2

さらに今回傘を持ち出すことが困難だったのは、今日の目的地の特異性もある。三井の迎賓館なぞは超ハイソサエティの人間しか行かないところで、自分みたいな庶民は精一杯のおめかしをして向かう必要がある。しかし庶民の努力には限界があるので、せいぜい頑張って服、靴、時計ぐらいで、傘なんかには到底手が回らない。ましてや普段傘をささない人間には、持っていてもコンビニのビニール傘ぐらいしか手持ちがない。服、靴、時計は一張羅。でも傘はビニール。もう、ありとあらゆる属性が一発でめくれてしまう。どうせ最寄駅から迎賓館まではタクシーだ。今回は雨に降られない可能性に賭けて”あえて”傘を持って行かなかった。

 

賭けに負けた──。

最寄りの駅に着いた瞬間、すべてに絶望した。ロータリーにタクシーは止まっておらず、車を拾うためにはびしょ濡れになりながら手を振る必要があったからだ。配車アプリを駆使して雨天にさらされる時間を極限まで短くしたが、それでもびしょびしょになってしまった。香水も整髪料も全部流れ、タクシーの席にシミを作るほどの濡れ鼠が迎賓館の玄関をくぐるのは、三井財閥の歴史を振り返っても数少ないだろう。係員の人が大慌てでタオルを持ってくるのを見ながら、やっぱり傘はさしたほうがいいと心の底から思った。

*1:

www.tsunamachimitsuiclub.co.jp

*2:折り畳み傘も持つことができない。詳しくは前記事参照。